GPSなき環境へ
現代の北極星を灯し
モビリティを導く
約500年前の大航海時代、
人類を未知の海へと導いたのは北極星でした。
現代、位置を知るためにGPSが使われています。
しかし、山間部・ビル間・月面などの環境ではGPSの精度が低下します。
我々はGPSが使えなくても位置がわかる
光を用いた測位技術を研究しています。
あらゆる場所に現代の北極星を灯し、
モビリティを全世界・月面へと導く。それがOZORISプロジェクトの使命です。
建設機械のICT施工向け測位技術
私たちが最初の実証の場に選んだのは、建設現場です。
山間部やビルの谷間——GPSが最も頼れない場所で、最も精密な測位が求められているからです。
そして、人類の月面進出もまた建設から始まります。
OZORISプロジェクトでは、油圧ショベル等の建設機械のICT施工に不可欠な測位技術の研究開発に取り組んでいます。
現在、GPSが使えない環境では自動追尾型トータルステーションと呼ばれる機器が使われています。
しかしコストが高く、補助員が必要で、視界が遮蔽されると測位が停止し再設定を要します。
我々はGPSが届かない現場でも、自動追尾型トータルステーションよりも安価で、補助員が不要、さらには視界が遮蔽されても停止しない測位技術の実現に挑戦します。
LiDARという“眼”、光マーカーという“灯”
本研究は、慶應義塾大学 吉岡健太郎研究室(Keio Computing and Sensing Group)の研究成果です。
LiDARが環境を3次元スキャンし、現場に設置した光マーカーを基準として位置を算出します。
光マーカーは独自開発のハードウェアです。強度と距離差の2重変調の仕組みにより、先行研究の約19倍となる長距離検出性能を実現しました。
さらにスキャンマッチング(LiDARで読み取った環境形状から相対的な移動量を推定する技術)を組み合わせ、光マーカーが一時的に死角に入っても測位は止まりません。
LiDARとは?
LiDAR(ライダー)は、レーザー光を放ち、対象に当たって戻ってくるまでの時間から距離を測るセンサです。周囲の空間を毎秒数十万点の「点群」として3次元的に捉えることができ、自動運転車やスマートフォンにも搭載され始めています。夜間でも正確に距離を測れることが特長で、OZORISプロジェクトではこの“眼”で光マーカーを捉えます。
LiDAR研究者のチーム
岡山県津山市出身、2001年生まれ。
慶應義塾志木高等学校を経て、現在、慶應義塾大学大学院 理工学研究科 博士後期課程に在学中。
慶應義塾大学 吉岡健太郎研究室(Keio Computing and Sensing Group / Keio CSG)に所属。
吉田育英会 マスター21・ドクター21奨学生(国際舞台で活躍する未来のリーダーの育成を目的としたYKKグループの財団)。
人類の夢を
支えたい
OZORISプロジェクト立ち上げへの想い
修士1年の夏、米国フロリダ大学への研究留学中に「優れた知は社会に実装されてこそ真の価値を持つ」という思想に触れる。さらに、ケネディ宇宙センターにて、スペースXのロケット打ち上げを見学。轟音と眩い光を放ちながら空高く昇るロケットや観衆の歓声を全身で感じた瞬間に「月面進出は人類の夢。たった一度きりの人生、自分の心が震えることに取り組む」と決意。自らの研究成果の社会実装を通じて、その“人類の夢”を実現すべく、OZORISプロジェクトを始動。
津山市から世界へ、そして月面へ
OZORISプロジェクトでは岡山県津山市を起点に実証実験を始めます。
センサにとって過酷な山間地域で磨いた技術は、都市部や地下にも活きます。
この技術を世界中、そして月面へと広げていくことを目指します。